【心理学の源流をめぐる旅 ヴント編1】心理学の父 ヴィルヘルムヴントの功績

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今回は心理学の父、ヴントについてですね、深掘りをしていきたいと思っています。

今回の参考文献はこちら


何度も改訂が繰り返されておりますが大正13年に書かれたものになります。
須藤新吉先生が出版さ れた本なんですけれども、ものすごく分かりやすかったのでおすすめです。

大正時代の本なので、漢字が古い字が多くて難しいんですがこの須藤先生が書いた文章ものすごく分かりやすかったです。 昔の本て難しくて読む気無くなって途中でやめてしまうというものが私の場合正直多かった印象なのですがこの本はとっても理解しやすかったです。


この本を読んでみての印象ですがとにかくヴィルヘルムヴント凄すぎ!!
彼は心理学の父って言われてるんですけど、
なぜかと言うと心理学の実験室を作ったからとか言われているのですが、そのための部屋を作るくらいそんなにすごいの?くらいに思ってしまっていたのですが、、、

彼がなぜ理学の実験室を開いたのか、開くに至ったのか?
ところはヴントの実際の功績を見てみると分かってくるんですよね。 あ、それは実験室いるよね。と。


ということでヴィルヘルムヴントが一体何をしたのか?

記した通り1879年にライプツィヒ大学に世界初の心理学実験室を設立したことは有名な話です。

この頃までは心理学という学問は存在せず、哲学とか生理学というような考え方だったということなんです。


当時の状況を記します。
彼はもともと医学博士であり、生理学の世界で頭角を現した人物でした。しかし、彼の探求心は「体」の仕組みだけでは止まりませんでした。

当初は、筋肉の動きがどのように制御されるかという「筋肉運動論」を研究し、そこから、私たちが外の世界をどう感知するかという「感覚知覚説」へと関心を広げていきます。

当時の学界では、認識の仕組みを巡って「能力は生まれつき備わっている」とするミュラーの「生得説」と、「経験によって後天的に学ばれる」とするヘルムホルツの「経験説」が激しく火花を散らしていました。

ヴントはこの論争を間近で見つめながら、そのどちらでもない独自の「発生論(発生的心理学)」へと辿り着きます。それは、心は単なる装備(生得)でもデータの蓄積(経験)でもなく、今この瞬間に要素が合成されて新しく「発生」する動的なプロセスだという確信でした。

この「体の法則」から「心の発生の法則」への飛躍こそが、彼を心理学という未知の領域へと突き動かした原動力だったのです。


そして彼はこの哲学とか生理学というものから心理学を独立させます。


彼の感情の研究や解釈の過程を知るとよくわかります。
ヴント以前は感情が生存目的のために有利か有害かという生物学的目的論、アリストテレスとかカントの視点だったり、あとは例えば「体が震える」だから「怖い」というような身体反応の結果に過ぎないとする生理学的決定論これはジェームズ(アメリカ心理学の父)の視点なんですけれども 、そのような哲学や生理学といった当時の主流の考え方や分野から、心理学を切り離したわけです。


須藤新吉先生の「ヴント心理学」に書いてあった文章(P210)を引用させていただくと、

我々の生活活動に必要なるものは快の感情を生じ 生活活動に有害なるものは不快の感情を生ずると言うのである(アリストテレス的考え方)

〜中略〜
カントは満足 ということは生活が促進 せられる感情で苦痛ということは生活が阻害 せられる感情だと考えた 

〜中略〜

しかしヴントによれば 我々が何のために快を感じ 何のために不快を感じるかというようなことは問題は 心理学の上からは全く無意味のことである。


つまり心理学が独立した科学になるためにそうした何のためというような 外側の理由は不要だと論じたんです。彼にとって重要だったのは感情が生存のために有利かとか不利かとかではなくて、今この瞬間に心の中でどのような質や強さの反応が起きているのかという内面的な事実を分析することだったのです。

それまでの哲学であったり生理学のような感情を生存の道具としての見方であったり感情を体の反応としての見方を捨てて感情を心の純粋な構成要素として確立させたのです 。

それがこの哲学とか生理学から心理学を分けたということなのか!
と理解した時にヴントすげー!!となったわけです。(全然実験室とかそういう問題じゃなくて新しい学問を生み出した瞬間にヴントがいたわけなのです。)

ヴント以前の哲学や生理学
→感情を体を守るためのアラームであったり、肉体のバイブレーションといった物理的メカニズムの副産物として扱っていた

対して


ヴントの考え方
→感情そのものを意識の自立的な 構成要素として捉え直した。感情の価値を外側の役立ちや体の変化に求めるのではなく、心が対象を掴み取るプロセスそのものに宿る内面的な体験の質として焦点化した。

ヴントの革命によって心理学は生理学の単なる延長とかではなく独自の法則、例えば感情の3方向説などがありますがそういった独自の法則を持つ独自の領域へと進化させた。

この体から心へという主体の転換こそが文が打ち立てた現代理学の礎であるということなんですね。 


ここでヴントがしたことををもう少し深掘りしていきたいと思いますが、ヴントで有名な発見と言えば感情3方向説です。(図の右)

  
まず上記の図を見ていただきたいと思うんですが

左側がヴント以前の快か不快かのみに着目した2方向のモデルです。これがカントだったり アリストテレスらが提唱していた視点です。感情を生物学的な生存の道具と見なすような考え方です。

先ほども記しましたがこのモデルでは感情の役割 っていうのはかなりシンプルで、快は生命活動を促進し、生存に有利な状態を知らせる信号。そして不快は生命を阻害し て危険や外を知らせる警告のようなものと 定義されていたような感じです。

つまり感情そのものを分析するのではなくて、それが生存にどう役立つかという外側の目的に価値を置いていたわけです。 簡単に言うと行動とセットで起こるものが感情というような考え方だったわけです。 例えばお腹が減ったから深い、そして 美味しいものを食べられたから快という ような感じで解釈すると良いかと思います 。

そしてヴントはこうした何のためという機能的な見方だけでは人間の複雑な意識の動きを捉えきれないと考えてこの2方向の モデルからの脱却を目指しました。

で 、図の右側のが文の考え方になります。 感情3方向説です。 ヴントの三方向説は感情を単なる生存のための信号から心の自立的な構成要素へと格上げしたような画期的な理論なんですね。

ヴントは 従来の快と不快という一面的な評価だけでは例えば人間が音楽を聞いたり深い思考に ふけったりする際の複雑な内面的な体験を説明できないと考えました。ヴントは意識 の中に現れる感情をこの3つの独立した軸の組み合わせで定義したのです。

第1の軸は快か不快かです。快適か不快か。図の横軸になります。これは感情の最も基本的な方向性です。

第2の軸(縦軸)が興奮と沈静です。これは感情に反するエネルギーの強弱であったり 活動性のレベルに対応します。

第3の軸がヴント独自の洞察である緊張と弛緩になります。これは期待感によって心が張り詰める状態とその後の解き放たれた状態を示します。この説の最大の特徴は感情を生存に有利かという結果で判断するのではなくて、時々変化する意識のプロセスであったり、 感情の動き、それもそのものに、焦点を当てた点にあります。もう少し補足して説明すると、二方向説は感情を固定されたラベルのように扱ってます。

図にstatic stateと書いてありますが、静的な状態という意味合いになりますが、この言葉が示す通り、かつての考え方では 感情を喜びや悲しみといった1つの完成された名刺やカテゴリーのように扱ってたのです。まるで心の箱の中に喜びという塊が入っているかのような捉え方です。

この視点では感情が湧き起こるまでの複雑な変化やその時々のグラデーションが無視されがちです。何が起きたのか?→「喜び」が起きたのような感じです。そしてそれが何のためか?それは生存を促進するため。 このように感情を生存という目的のための 最終的な出力結果としてのみ定義しているというニュアンスだったわけです。

で、それをヴントは否定したわけです。ヴントはこれに対して感情は静止した状態ではなくて、刻一刻と変化するプロセスなんだよと主張したのです。旧来の視点だと喜びは1つの状態だったわけですが、ヴントの視点は喜びは快だったり興奮であったり弛緩とか緊張とかそういった組み合わせで起こる感情ということなんですよね。常に波のように動い動いている揺れ動いてる ようなプロセスなんだよと言ったんです。 つまりヴントは旧来のモデルをこれでは人間の心の細やかさを説明できないと考えました。それではシンプルすぎると否定したようなニュアンスです。

だからそれをヴントはこの右側の3方向の軸。このような考え方へ進化させたのがヴントの革命だったということなんです。 例えば一定のリズムの音楽を聞く際に次の 音が鳴るまでの間に感じる緊張であったり 音が鳴った瞬間の弛緩であったりとか快適や不快だけでは測れない心の微細な動きを分析しようとしたのです。

このように感情を外側の目的から切り離してそれそのものの構造として記述しようとしたことが心理学が独立した科学となる決定打になったようなそういうようなイメージなわけです。

ということを知った時にはヴントがやってきたことっていうのは本当にすごいことで、まだまだ彼の功績の1部分ですが私なりに解説させていただきました。

ヴントは88歳 までの間に490以上の著作本を書いたと言われています。なので彼は心理学の父と言われてますが相当 すごい人だなと思いましたね。 

高校時代の歴史の授業で1回もヴントの名前を学んだ記憶がなかったですけど、、、すごい人じゃないですかね。心理学の父ってもう本当にその言葉が まさにヴントのこと言ってる言葉だなと、彼のことを調べれば調べるほどそのように感じさせてくれる偉人でしたね。 今回の記事はこれで終わりにさせて いただきますが、またヴントに関してはより深掘りして私なりに研究を重ねていきたい と思っておりますので、もし今回の記事が良かったらですね、次回も楽しみにしていただきブックマークしておいていただければと思います。

ではまた記しますね。

※今回のテーマについて、さらに詳しく解説した動画も公開しています。音声でじっくり学びたい方は、ぜひ併せてご覧ください。




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