エッセンス・ドリブン・ライフ 【アリストテレスに学ぶ】

 エッセンス・ドリブン・ライフ

Unconscious noteへようこそ。私たちは日々、「肩書き」や「他人の評価」といった名前に縛られて生きています。しかし、アリストテレスは『デ・アニマ』の中で、私たちの存在価値を根底から揺さぶる、厳しい、しかし本質的な問いを投げかけています。

ちょうどある道具が自然的物体であるとしたばあい、たとえば斧であった場合にその定義によって与えられる本質である。というのはその本質は『斧にとってあるということ』であり、そしてこれが心ということになるだろうからである」アリストテレス 心とは何か 桑子敏雄訳(p.72)

アリストテレスは言います。たとえ立派な材料で作られていても、全く切れない斧は、もはや斧ではありません。それは「名前ばかりの斧」であり、本質的にはただの金属の塊です。 斧にとっての 切れる = 人間にとっての 心 とアリストテレスは考えました。

これは私たちの人生も同じです。「部長」や「親」という「名前」を持っていても、その本質的な「機能」を果たしていなければ、それは名前だけの存在になってしまいます。

さらに彼は、私たちが事実に「勝手なラベル」を貼る癖についても指摘しています。


「例えば、白いものがディアレスの息子であるような場合である。なぜなら、付帯的にこのことを感覚するからであり。つまり、感覚される白いものに、このことが付帯しているからである。」アリストテレス 心とは何か 桑子敏雄訳(p.103)


遠くから歩いてくる白い影を見て「田中さんだ」と判断する。しかし、アリストテレスに言わせれば、確かな事実は「白い色が動いている」ということだけです。「田中さん」というのは、私たちが後から貼り付けたラベルに過ぎません。

今の自分に貼られた「名前」や「ラベル」を一度ペリッと剥がしてみてください。あなたという楽器は、一体どんな「機能」を果たすために存在しているのか。材料(ステータス)ではなく、機能(エッセンス)に注目する。これこそが、迷いのない決断を下すための「エッセンス・ドリブン・ライフ」の始まりです。


2. 実践ワーク:本質を再定義する3ステップ

「名前だけの存在」を卒業し、自分の本質的な機能を取り戻すための3ステップワークです。

ステップ1:ラベル剥がしの儀式 まずは、今あなたが抱えている悩みや自分自身の定義を書き出し、そこから「ラベル」を剥がします。「私は仕事ができない人間だ」という悩みがあるなら、事実は何でしょうか?「昨日、資料の数値に1箇所ミスがあった」。これがピュアな事実です。「できない人間」はあなたが貼ったラベルです。まずはこの「田中さんの影」を剥がし、事実のみを見つめます。

ステップ2:「機能(アニマ)」の再定義 次に、あなたの「斧としての切れ味」はどこにあるのかを探します。肩書きを捨てた時、あなたは周囲に対してどんな「働き」をしていますか?「管理職」ではなく「バラバラな意見を一つに編み上げる機能」かもしれません。「親」ではなく「新しい視点を与える機能」かもしれません。動詞で自分の本質を定義し直しましょう。

ステップ3:終局態(目的)への集中 最後に、その機能を「誰のために、何のために」使うのかを決めます。アリストテレスは、機能が目的と一致した時、それを「終局態(完成された状態)」と呼びました。名前や評価のためではなく、あなたの「切れ味」を最大限に発揮できる場所はどこか。その一点にエネルギーを集中させる決意をします。


コメント